DMCは無期限活動休止となった。
解散ではないのは一握りの希望を残したかったからだ。
DSさんとBOM君が職場を去ってからあっという間に1ヶ月が経ち、久しぶりにDSさんに会った。
夜中にレインボーブリッジを見に行った。
お互い別々の職場で働き出したせいか、前よりも話しやすくなっていた。
前よりも、というよりは仙台にいた頃に戻ったみたいだった。
本当はこれで良かったのかもしれない。
仙台で音楽を続けていたら今も皆で仲良く続けられたのかもしれない。
今からでもまた皆でやり直せるかもしれない。
様々な可能性が東京湾に映っては消えるレインボーブリッジのネオンの様に一瞬だけ何かと何かを繋いだ様に思えた。
DSさん
「ずいぶん遠くまで来たな。お前はまだ東京で続けるんだろ?」
僕も年が明けたら会社を辞めて福島に帰ろうか悩んでいた。
僕
「そういえば昔、祖父が言ってたんですけど、【才能や努力の先にある技術】を【悔しい気持ち】だけで越えて行く奴がたまにいるみたいですよ。そんなのたまったもんじゃないですよね。」
DSさん
「悔しい気持ちがあるなら全て東京に置いていかないと、福島に帰ってもずっと苦しむんじゃない?」
僕
「そうですよね。どちらにしても苦しみそうですけどね。DSさん目の下のクマがすごいですけど、ちゃんと眠れてますか?」
DSさん
「夜中なのにこんなに空が明るくちゃ眠れねぇよな」
そう言うと、夜明けまで東京湾を眺めていた。