何もない所から武器を作る方法24

翌週、『1000組のバンドを黙らせた1本マイク』と称され、SUMMER SONICへの出演が決まった。

 

この時ばかりはワンカップさんとビンタじゃなくてハイタッチした。

 

あまり感情を表に出さない僕もこの日ばかりは小さくジャンプして喜んだ。

 

今までの人生で一番『おめでとう』という言葉をたくさんもらった。

 そのほとんどは直接ではなく、SNS上の文字だったけれど、本当に嬉しかった。

 

何度も何度も読み返した。

だって、全然実感が湧かなくて。

 

実感が湧かないまま、SUMMER SONIC当日を迎えてしまった。

 

炎天下の幕張でのライブ。

ステージ上からの眺めは前の方に昔から応援して頂いている方々が居て。

奥の方はお目当てのアーティストのステージに向かう為、足早に、でも、チラチラこちらを伺う人の波があった。

 

僕は皆さんにとても温かく見守られていた。

 

この日は史上初めてポエトリーリーディングがSUMMER SONICに届いた日であり、僕がワンダーボーイに勝った日だ。

 

ライブが終わり、陽が落ち始め、海からの風が心地良くなる頃に僕は会場を後にした。

 

不思議と何かを成し遂げたという感じよりも、もっと先を見たい、もっと大きなステージでライブしたいという気持ちが大きかった。

まだまだこれからだと。

必ず、また夏の幕張に来ようと。

 

SUMMER SONICが終わり翌週に偶然目にした朝日新聞でサマソニ初出場組では、ももいろクローバーZやラッパーの狐火が好演』との記事を読んだ。

その時、やっと実感が湧いた。

 

ちなみに、この時、肩を並べて紹介されていた『ももいろクローバーZ』と僕の数年後の様子を某週刊誌が上手に表現されていたので載せておきます。

 

 

つづく